キャリアを重視した働き方をするためには
日本では終身雇用制が当たり前のように続いてきたが、徐々にその制度も崩れ始めている。一つの会社に長く勤めていれば年齢とともに給与は上がっていき、60歳で定年を迎えれば円満退職で年金生活、というスタイルになじみがある人も多いだろう。しかし、欧米ではこの日本的な働き方はほとんどされていないと言って良いだろう。
会社ありきの働き方というよりも、個人としてどのように働くかが重視されるのが欧米のスタイルである。会社のために働くという考え方をすることはまずないのである。今後の自分に活かせるどんな経験が出来るか、それに対して会社はどれだけの評価を自分にしてくれるかという、自分自身が売り手側に立った仕事の探し方をするからだ。より良い環境でより良い給料を貰いたいという人は、そのために努力を惜しまない。積極的に資格を取得したり、キャリアを積める会社を求めて転職を繰り返すのは至って普通のことなのである。もちろん、給料はその人のキャリアに対して相応な額が支払われているのだ。
しかし、日本でこの働き方をするとなると、転職する度に給料が下がってしまうケースが多いのが実情である。独身なら多少給料が下がってもキャリアを優先することも出来るかもしれないが、やはり安定を求めるには厳しい環境にあることは否めない。
とはいえ、日本でも少しずつ欧米の考え方が広がりつつある。独身でキャリアアップを目指すのか、結婚して安定した生活を求めるのか、これまでのような心配をしなくても、日本で自由にキャリア形成が出来る日もそう遠くはないのかも知れない。